7.審査項目(年収)
年収は融資審査にとって最大のポイントとなる項目で、スコアリングを作成する上でも最終評価を決定する最重要項目となります。スコアリングで各項目別に点数をつけその合計点数によって暫定的な融資額1が決定されます。
スコアリングとは別に、家族構成から判断した生活費に他社・自社を合わせた支払い金額、家賃・住宅ローン返済額を総合計して年収から差し引くと可処分所得が算出されます。この可処分所得から融資可能額2が算出されます。
可処分所得=年収1(生活費+他社・自社支払い総額+家賃等)
1と2を比較して低い額で融資額を決定するのが、私が勤務していた会社の融資額算出方法です。(だいぶ省略した部分もありますので、この算出方法で計算しても実際の融資金額は算出できませんのでご注意ください)
つまり年収が低いほど可処分所得は低くなり融資額も低くなる計算です。しかしある程度年収があり経費に当たる部分が少なければ相当の融資を受けることが可能となります。スコアリングとまではいかなくても、返済可能かどうかは一度計算すれば自分である程度判断できます。 融資やカードローンを申込む前に一度可処分所得を計算して自分はどれだけの金額が返済可能か認識しておくことは重要です。これが「支払いは計画的に」という標語を具体的に実行することなのです。
年収から自分で弁済できる金額をある程度判断できる方法もあります。住宅ローンを担当していたことがあるのですが、住宅ローンでは返済率を計算して審査の判断としています。年間の総支払額を計算してその年収に対する比率を返済率といいます。
返済率=年間総支払額/年収
住宅ローンの場合は返済率が30%まで融資可能といった判断を行いますが、余力を持って返済できるのは25%だと思われます。しかも実際は年収によって同じ25%でも余裕のない返済となります。つまり500万円の年収であれば375万円の余力がありますが、250万円の年収では187万円の余力しかありません。基本的な生活費として年間180万円は最低限度に近いといえるため、年収によっては15%?20%程度を目安とする必要があります。
こうして自分なりの返済率を決め年収にかけた金額が年間返済額となります。年間返済額から単純計算で返済可能な融資金額を割り出してみましょう。
例:年間返済額30万、3年返済の場合
30万×3年÷1.2(利息分)=75万円(返済可能融資額)
自分で返済可能かどうか判断してから融資申込みを行うことは重要です。審査では万一の場合を考え余裕を持った融資額を設定します。自分でも返済が難しいと思うような内容の融資申し込みは審査が通る可能性はほとんどない上、万一審査を通過しても返済が滞るのは目に見えています。
年収は毎年確実に増えるものではなくなってきました場合によっては実質的に減っていくことも考慮して余裕のある返済を考えましょう。